2010年08月26日
追い風か逆風か?

大手外食企業が、最近「串カツ店」の店舗展開に乗り出している。
本当は、10年前僕は
この店をチェーン展開することが、目標でした。
まずは、関西を攻めて、全国、そして海外に出店して
ラスベガスへの出店が最終目標でした。
ですから、
マニュアルやレシピや売上分析や顧客管理に力をいれました。
でも、田舎の一居酒屋でそんなことをしていても
なかなかうまくいきません。
そして、5年前「ビジネスプランコンテスト」で
プレゼンした時も、「串カツでは、全国チェーンは、難しい!」と批判されました。
もちろん、プレゼンがうまくいかなかったのは、
『ビジネスモデル』として確立されていなかったこともあります。
しかし、ここに来て大手外食企業がチェーン展開に乗り出しています。
なぜ、今なのかを僕なりに分析してみました。
顧客ニーズの低価格化により
◆出店のイニシャルコストの縮小
◆ランニングコストの縮小
を余儀なくされているからです。
1、まず、顧客への対応ですが
特別な商品を除けば、1本あたり、50円~250円ぐらいで食べられます。
平均では、100円~150円でしょう。
とすると、大体成人女性で、7、8本
成人男性で10本~12本でお腹いっぱいになります。
また、1本単位で注文できるお店が多いので
様々な食材を楽しめます。
そこにサラダとかをつけても、1,500円~2,000円ぐらいで楽しめます。
また、別のブログで紹介しますが
最近、大手チェーンの居酒屋では、300円均一ぐらいでの業態に力を入れています。
また、牛丼なども価格競争の時代です。
「外食の低価格化」これが、今のキーワードです。
2、その低価格を実現するには
出店に際しての、イニシャルコスト
そして、運営していく為のランニングコストを抑えなければなりません。
串カツが美味しいのは、当然揚げたてのアツアツです。
それを実現する為には、
流行の迷路のようになっている個室ばかりの店では
難しい。
必然的にカウンターを中心としたオープンなお店または、炉辺風になります。
この形は、壁が少ない為に
内装に際しての、坪単価が安くなります。
また、坪辺りの席数も多くなります。
そして、お皿や厨房機器もそんなに大したものは要りません。
焼き鳥屋さんのような業態でしょうか。
3、次にランニングコストですが、
鮮魚を扱う居酒屋では、原価率が上昇します。
また、熟練の職人さんも必要です。
しかし、串揚げは、アイデア次第で
安い食材でも、美味しくできます。
今は、B級グルメが流行りですが
串揚げもB級グルメと言えるでしょう。
また、店舗の調理の「揚げる」という作業も
比較的簡単で、
海老なら1分とか
野菜なら50秒とか
マニュアルを決めておけば、アルバイトさんでも出来ます。
また、盛り付けも特に難しいものではありません。
串揚げの美味しさを決めるのは
・素材
・素材のカットの仕方や組み合わせ
・バッター粉
・パン粉
・ソースや塩
・揚げ油
です。
この部分を大手チェーンなら
熟練の職人さんやプロの方で開発し
セントラルキッチンで仕込みをしておけば
店舗では、アルバイトで十分です。
飲食店のコストの殆どは、
食材などの原価と人件費です。
ここを如何に低コストで抑えるかどうかによって
経営状態が変わってきます。
そういう意味では、
串揚げという業態では、低コストですむ筈です。
ただ、当店のような、個人店では、
メニュー開発から、仕込み、そして実際の調理までを
一元的にこなさなければならず、どうしてもプロの調理師さんが必要です。
また、田舎での営業は、単一メニューの業態では、客数を確保できません。
鮮魚や牛肉などのコストのかかる食材も取り扱わなければならないと思っています。
そこが、僕が多店舗化できなかった、そして今も前に進めない要因だと思っています。
しかし、もし「串揚げ」が注目されれば
追い風に乗れるかもしれません。
しかし、逆に
大手チェーン店と比較されれば
逆風となるかもしれません。
他店の動向をしっかりと見ながら
戦略を立てていきたいと思います。
Posted by どんこい at
23:57
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